量産時のフラックス測定

量産時のフラックス測定について

 量産時のフラックス測定も「磁気測定に必要なものは?」の内容と同じで、サーチコイルを使用するのが一般的ですが、
着磁ヨークをサーチコイルとして利用する方法や、着磁ヨークにサーチコイルを内蔵する方法もあります。

 1個当たりの測定時間や、ランニングコスト、自動化のしやすさなども考慮しながら、最適な方法を選択するのが良いです。

①サーチコイルを用意する
 サーチコイルを用意するメリットは、ランニングコストが安い点と、感度が高い(精度が高い)点です。
着磁ヨークは、その仕様上サーチコイルよりも寿命が短いのが一般的なため、計測専用のサーチコイルを用いることで、
サーチコイルの交換回数を減らし、ランニングコストを下げることができます。
また、専用で製作することにより、感度を高く、より高精度で計測することが可能となります。

 デメリットは、自動化する際に計測するための工程が必要になるため、初期投資がやや割高になってしまう点です。

②着磁ヨークをそのままサーチコイルとして使用する

 着磁ヨークのコイルをサーチコイルとみなし、計測することも可能です。
この場合のメリットは、着磁後にワークをイジェクトする(取り出す)動作と、フラックス測定を同時におこなうため、
自動化が比較的容易であることと、生産タクトを短くできることです。

 デメリットは、着磁電流がフラックスメータに流れないように、別途セパレータと呼ばれる断路器を設置する必要があること、
また、着磁ヨークが故障し、交換した場合には、検出される値が変わってしまうので、都度値の補正が必要となります。

 加えて、着磁ヨークのコイルは、あくまで高電流を流して磁界を発生させることを目的としているため、
巻き数が少なく、サーチコイルとしての感度が低くなりがちです。製品によっては計測できない場合もあります。

 さらに重要なポイントが、着磁後1回目の測定値は、2回目以降よりも高く計測されてしまいます。
これは、着磁後1回目、着磁ヨークから外された際に、永久磁石が初期減磁を起こすためです。
よって、測定値の管理は、1回目の計測と2回目以降の計測とで管理し、適宜補正をおこなう必要があります。

③着磁ヨークにサーチコイルを内蔵する

 着磁ヨーク内に着磁用のコイルとは別に、サーチコイルを内蔵する方法です。この方法は、➁のデメリットである「感度の低さ」を解消することができます。
 ただし、そのぶん着磁ヨークの製作コストが上がります。また、着磁の際の高磁界がサーチコイルに大きな誘起電圧を発生させてしまうため、サーチコイルとフラックスメータ間にはセパレータが必要となります。
測定値の値が、1回目の計測と2回目以降の計測で差が出てしまうのも➁と同じです。