フラックス測定の注意点について

フラックス測定の注意点とは

フラックスメーターを使用して磁束量を測定する際の注意点を説明します。

①磁束量は絶対評価ではなく相対評価でおこなう

磁束量の測定は絶対評価ではなく、相対評価で行って下さい。さもないと後々の管理が非常に大変になります。
磁束量の測定は、前述の通り、①サーチコイル ②フラックスメーターの2点の組み合わせで測定します。特にサーチコイルは、測定物に合わせてオーダーメイドで製作する1点ものですので、同じメーカーにて複数台製作した場合も、コイル線の位置の微妙な変化や強磁性材料の特性バラつきによって測定値に差が生まれます。これが他のメーカー製となれば、数値は全く違うものが出来てもおかしくありません。
つまり、同じマグネットでも、サーチコイルやフラックスメーターが異なれば違う値が算出されてしまうということです。これを絶対値で管理することは到底できません。

よって、磁束量の管理は相対評価を行うのが基本で、そのために基準となるマスターを用意するところから始まります。

1) マスターとなるマグネット
2) マスターとなるサーチコイル
3) マスターとなるフラックスメーター

の3点を準備して下さい。この3点は測定値の基準となるものなので、量産検査では使用せずに、大切に保管します。そして、同じマグネットを使用して、マスター器を使った場合の測定値と、実際に量産で使用する検査装置での測定結果の「比」を算出し、それを基に測定値に補正をかける、あるいは合格値を修正します。複数台使用する場合には、1台1台全ての量産検査装置でこの作業を行います。またサーチコイルやフラックスメーターの入れ替え時にも、再度行う必要があります。
上記の通り、マスター器を基準とした相対評価を行うことが量産時おけるフラックス管理の基本となります。

②温度に注意

マグネットは温度依存性があります。マグネットの温度が変化すると磁束量も変化します。よって、検査時の温度変化には注意が必要です。もし量産検査時に磁束量が減ってきたなと感じたら、温度が変化していないかにも注目して下さい。

③ドリフト

フラックスメーターは積分器のため、フラックスメーター内で何かの対策が施されていない場合、ドリフト(数値が勝手に上昇してしまう)現象が発生します。特に量産現場など外来ノイズが入りやすい環境などでは酷くなるケースも多いです。また接続するサーチコイルのインピーダンスが高いほど、使用するレンジが小さいほどドリフトする可能性が高くなります。また、温度変化によってもドリフト現象は発生します。
量産検査用として使用するのであれば、ドリフトが発生する度に調整することもできないため、ドリフトレス仕様のフラックスメーターが望ましいです。

関連リンク

ドリフト調整不要!ドリフトレスのフラックスメーター紹介ページ

④測定スピード

引き抜き測定や通過測定、回転測定など磁束量の測定は物理的にマグネットを動かして計測します。理論的には動かすスピードによらず磁束量は一定なのですが、フラックスメーターの仕様により、動かす速度によって数値に誤差がでることがあります。極端に遅い移動の場合には微弱な信号を無視する回路が悪さをし、極端に速い移動は入力電圧の許容を超えてしまうなど、どちらも正しい測定ができない可能性があります。よって、出来るだけ移動速度は一定とし、同じマグネットで何回か計測を行って再現性がとれるかどうかを基準に、移動速度を設定します。

⑤セパレータ

着磁ヨーク一体型のサーチコイルのような、着磁の磁界をサーチコイルが検出してしまうようなケースでは、サーチコイルから大きな電圧が出力します。フラックスメータに直接接続していると、その電圧でフラックスメーターを壊してしまう恐れがあるため、間にセパレータを挿入する必要があります。
セパレータは、着磁の際にはサーチコイルとフラックスメーターを分断し、磁束量の測定の時は接続するスイッチの働きをします。一般的なリレーでも構築可能ですが、サーチコイルから出力される電圧によって、耐電圧の高いものを選定する必要があります。

フラックス測定等でお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

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