テスラメーター(ガウスメーター)の磁束密度測定方法・注意点について

磁束密度の測定方法について

磁束密度の測定には、主に、テスラメーター(ガウスメーター)を使用します。テスラメーターはホール効果を利用した物が一般的で、ホール素子と呼ばれる磁気センサを用いて磁束密度を計測します。

ホール素子は、磁気を感知する領域が決まっており、その領域に対して垂直方向の磁束密度に比例した電圧を発生します。

ホール素子は非常に小さいものが多く、磁束密度をピンポイントで計測することが可能です。つまり、ホール素子の感磁領域を、測定したい位置に置き、測定したい磁束密度の方向に合わせることで、局所的な磁束密度を検出することができます。

磁束密度測定の注意点

磁束密度の測定を行う際の注意点を以下に記します。

  • 磁気センサの位置

磁束密度は磁気センサが検出します。よって、計測したい場所に正確に磁気センサを配置できるかが最も重要なポイントとなります。マグネットの近接磁界は不均一な場合が多く、磁気センサの位置が変わると測定値に大きな差が生まれる恐れがあります。よって、マグネットと磁気センサの位置関係を精密に保証できるか、あるいは、仮に位置ズレが発生した場合にどの程度の影響度があるかを事前検討することがとても大切です。

位置ズレによる測定値の影響は、計測するマグネットや計測する場所によっても変わってきますので、実測するのが最適です。

  • 磁気センサの向き

磁気は大きさだけでなく、方向もある「ベクトル」です。磁束密度の検査を行う場合には、必ず、磁気の大きさだけでなく、その方向を意識しなければなりません。1軸のホール素子は、1方向の磁束密度のみを検出し、またその検出方向も決まっています。よって、磁気センサの検出方向を測定したい方向に正確に向けることで、初めて正しい測定が可能となります。

磁気測定の際のセンサの正しい向きを説明

  • 温度

マグネットの特性は温度によって変化します。またホール素子も同様で温度によって感度が変化するのが一般的です。つまり温度が変化すると、磁気を発する側も、それを検出する側も変化するため、測定結果は合算で変わってきます。温度変化による測定値の影響範囲を事前に認識することが大切です。